【まとめ】カイストシリーズ【狂気太郎】

狂気太郎氏が長期連載している「カイストシリーズ」という作品のまとめです。

カイストシリーズは転生を繰り返し「頂点」を目指す魔人、カイストたちが繰り広げる群像劇です。頂点とは「最強」や「全知」「不老不死」「世界平和」など、それぞれが目指す頂きです。

自身のプライドを賭け全身全霊で頂点を得ようとする様は、本当にかっこよく、私は狂気太郎氏の小説で最も好きです。

ようやくほぼすべてのカイスト作品をホームページで取り上げることができたため、ここにまとめます。上から順に読むことを強く勧めます。

原点

カイストに許嫁を殺された一般人が主人公で、許嫁を殺したカイストに復讐するため命を懸けて行動します。

カイストの理不尽さ、強さ、そして弱さが分かる一作です。カイストの良さが詰まっており、話も短く読みやすいため最初に読むのにお勧めです。

骸骨騎士

国家に雇われたカイストと、村落に雇われたカイストとの対決を描いています。

カイストシリーズを理解する上で必須な情報がてんこ盛りです。主人公である寡黙で不器用な骸骨騎士キルマが、矜持と信念を懸けて村を防衛したり、最終章での対決など、魅力もたくさんあります。

挑む者

骸骨騎士」の続編です。「八つ裂き王」フィロスと「鋼」のディンゴが決闘する話です。

前作とは少し違った2人が見られ興味深いです。特に「八つ裂き王」フィロスがただの殺人鬼ではないことがよく分かります。

百億年戦争

ときどきシリーズに出てくる、馬鹿馬鹿しいカイスト同士の争いの象徴です。既に村や都市が消滅しているのに、次々とカイストの応援がやってきて、百億年も続いてしまった戦争の話です。

たくさんのカイストの名前が出てきており、特に「蜘蛛男」フロウと「不死者」グランにスポットが当たっています。最後のやりとりが2人の生き様を表している作品です。

借時百万年

とあるカイストが村を軍隊から救った報酬として、青年に同じことを違う村にしてやるようにと頼む話です。

一人で軍隊に勝つためには百万年修行すれば十分だと件のカイストは言いました。青年は、借りを変えすことができるのでしょうか。

急所を一突き

「急所を突くこと」に特化した「針一本」裏鋭を取り巻く話です。

裏鋭の急所に関する美学、そして文明管理委員会所属の怪しい魔導士、スタン・ナバルの暗躍が光る話です。

敗因

骸骨騎士」「挑む者」で出てきたフィロスが一般人の少女に敗北する話です。

敗北したからにはと少女に従うフィロスの不器用さが面白いです。

更に、なぜ少女に負けたのか探るため、探知のプロである「裏の目」ガリデュエに依頼します。ガリデュエの人を食ったような態度が癖になります。

遺跡の見える町で

カイストシリーズでは珍しく恋愛寄りの小説です。ギャングに付け狙われる資産家の女性が主人公です。

主人公に興味を寄せる「検証士」ソツメの目的とは。奇跡をその目にするため、にじり寄ります。

混沌へ

黒魔術師の親玉「暗黒塔」ザム・ザトルによる世界実験がテーマです。

自身のために過去の痕跡を消したり改変したりする、検証士の黒い方「裏の目」ガリデュエの協力のもと、「不死者」グラン・ジーを世界の外に放り出して構造を探ります。また非道な実験を繰り返すザム・ザトルの意外な目的も判明します。

その席 その一言

「鋼」のディンゴのシマを荒らした2人のカイストの話です。

それぞれ違った末路を辿り、「鋼」のディンゴの偉大さ、そして殲滅機関「シュクムバーズグ」に所属するカイストたちの矜持が見られます。

重い枷

悪を滅ぼすことに妄執している首枷「トウク」の生き様が描かれています。徹底的に自身を疑い「正義」から外れないように努力しているのが特徴的です。

また、Aクラスの「血の幻影師」モースランの術は圧倒的で、世界の改変に匹敵しており夥しい情報量が詰め込まれた描写を読むことができます。

同じ名の宿敵

「骸骨騎士」でも登場した同じ名前を持つカイストの話です。名前というプライドを賭けた戦いを、互いの魂が消え去るまで続けます。

正攻法で相手を叩き潰そうとする2人は見ていて段々と熱くなります。

最後に

ぜひ皆さんと氏の作品の良さについて語りたいので、良ければコメントやツイッターのフォローをよろしくお願いします。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

実は紹介していない作品

目的のない凶器

目的のない凶器

狂気太郎氏のカイストシリーズ一作目です。これが表に出た最初のシリーズ作品なんですが、やや設定が定まっていない部分があるようで、紹介しておりません。やはり「原点」から読むのを勧めます。

第二十六段 歩く者達 ~カイスト プロローグ~

闇の階段 第二十六段 歩く者達

カイストシリーズ掌編です。非常に短いため紹介しませんでしたが、カイストがどんな存在なのか、よく分かるためぜひ読んでみてください。

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