もう一つの小舟
カイスト。混沌の荒波に浮かぶ小舟は一つではなかったらしい。
『皆殺し探偵社』の後日譚なので先にそちらを読まれることをお勧めします。
狂気太郎氏の長期連作「カイストシリーズ」の短編です。
カイストシリーズについての知識は当然としてその中の作品「皆殺し探偵社」についても知っていないとどんな世界観なのか全くわからないため、既存の作品を先に読んでおくことをおすすめします。
絶対に何をしようと転生させられ続ける空間に閉じ込められた住人たちと、強大な意思を持って転生する「カイスト」たちとの交流のお話です。
この短編は、かの最強のカイスト「彼」に関することに触れられており、伏線がちりばめられた短編という印象が強いです。
カイストという長い長い歴史を語る上で、「彼」がはじめて敗れたことに言及されましたし(作中では引分け判定)、そして「STING」という作品の繋ぎになっているため、余計にそう思うのでしょう。
特に、いったい誰がこの空間を構成したのかが一番気になるところです。「暗黒塔」ザム・ザドルか、はたまた文明管理委員会所属の魔導士、スタン・ナバルか、もしくは他か……何を目的としているのかもよく分かりません。
未だ全貌が全く分からないカイストの世界観が深くて非常に興味深いことを再認識しました。よかったです。
そして何より、更新がめちゃくちゃされてるのがうれしいです。ヒャッホーーーーーーーーーーーーーーイ!狂気太郎氏は神ですね!
カイストシリーズ、まだ読んでいない人はぜひ読んでください。ぶっ刺さる人にはホント刺さります。



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