救いない怪異の世界をRPGの世界と勘違いしてるやつ - ハーメルン
2032年、日本。
この国には異形の化け物――【怪異】が潜む。
だが、その事実を知る者は少ない。
表の世界は平穏を装い、裏でただひとつの集団――陰陽師が怪異を…
2032年、日本。 この国には異形の化け物――【怪異】が潜む。 だが、その事実を知る者は少ない。 表の世界は平穏を装い、裏でただひとつの集団――陰陽師が怪異を封じるために命を散らしてきた。
倒すことは不可能。 祓うことも不可能。できるのは、ただ寿命を削って封印することだけ。
そんな理不尽な世界へ、ひとりの少年が転生した。
そして彼だけは、人の身で容易に怪異を倒せてしまった。しかも本人はこの世界をRPGのシステムだと勘違い。
それにより、人類最悪の怪異領域すら「レベリング場所」と信じて突っ込んでいく。──いずれ、彼は伝説と化す。
和風ダークファンタジーの世界に最強主人公をぶち込んだ話です。
周りが「怪異」を恐れ崇め祭っている中、主人公一人は当然とばかりに怪異を切り裂いていく爽快感があります。それも自身を「勇者」と呼称して、西洋風の呪文を唱えながらです。
勘違いものとしてのギャップも素晴らしいのですが、この小説はそのギャップに説得力を持たせています。
それは、主人公のあまりの規格外さから「既存の枠組みに入れてしまうと弱くなるかもしれないから好きにさせよう」という試みです。
通常では怪異一つ倒せない世界において、ガンガン祓っていく主人公を見れば、確かにそういう考えにもなるかもしれません。
こういったことから、主人公は「矯正」されることなく、「勇者」として怪異を浄化していきます。
勘違いものとしての良さ、そして破綻しないストーリー軸と非常に面白い一作です。続きが待ち遠しいです。


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