
伝説の死にゲー「妖精たちの狩人」のモブに生まれてしまったミッカネンは、ゲームの知識から己が生き残るためにはパーティーから「追放」されるしかないと考え、メンバーからのヘイトを集めることに努めてきた。
だが、地獄のような戦地で暴れまわってきたミッカネンは英雄と讃えられるようになったはいいものの、まったく「追放」されそうにない。
そのことに焦ったミッカネンはもはや手段を問わなかった。メンバーたちがミッカネンを「追放」するよう説いてまわろうとするものの、なぜか嫌われていたはずのメンバーからは逆に激重な愛をみせられて……?「追放」されることで死にゲーから逃げたいモブと、今さら逃げることなど許すつもりのない病みきったメンバーによる誰が望んでいるかもわからない戦いが始まる――――――!
タイトルからヤンデレものだあ……と思い読み始め、想像していたより1000000億倍くらい重たくて、大満足でした。しかも主人公もかっこいいし非の打ち所がない最高の作品です。
パーティメンバーがみんな主人公に依存している、というシチュエーションはときたま見受けられるんですが、この作品ではホントに重いんです。物理的にも精神的にもです。
既存のよくある作品と何が違うかというと、説得力の差なんだと思います。
主人公、ミッカネンがあまりに熱すぎるんです。
主人公ミッカネンは自身を犠牲にして人類を、仲間を徹底的に守護します。「逃げないこと」を誓いとして壮絶な戦いを食人生物「妖精」と繰り広げます。
その自己犠牲の精神に、信念を貫き通すことに、目を焼かれない人はいません。敵側の妖精ですら全員ミッカネンに目を焼かれています。もちろん私もです。
パーティメンバーも魅力的だし、敵である妖精サイドも魅力的だし、それらの背景が語られては戦って、語られては戦って……一瞬で読み切ってしまいました。もっと読みたいです。
一番私が好きなのは「星天の妖精」です。自身が真に望んでいることと、真逆のことをしてしまっている空虚さと、無邪気さが理由です。ま、空虚さはこの小説の登場人物全員が持ってるからやっぱりみんな好きです!
物語は佳境に入っており、続きがホントに待てません。皆さんもぜひ読みましょう。
※ハーメルンでも連載されていますが、カクヨムのほうが更新が早いです。
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