重い枷
カイスト。正暦326億年。サマルータ。
狂気太郎
『首枷』トウクが歩む暗い裏路地。
狂気太郎氏によるカイストシリーズの一作です。最強の魔人、カイスト達による群像劇、それをホラー界最狂の狂気太郎氏が描いております。事前に「原点」、「原点」が面白かったら「骸骨騎士」を先に読むことをオススメします。
このシリーズの魅力は何といっても最強を目指す魔人、カイスト達のぶつかり合いで、今作もとんでもなく熱い展開になっています。
探知・索敵・そして魂ごと抹殺する能力を得ている「首枷」トウクと、幻術だけでのし上がった「血の幻影師」モースランによる対決が繰り広げられます。
共に魔人達の最高ランク(世界の一つくらい滅ぼせる)だけあって、濃密で激烈な応酬が繰り広げられます。描写はもう私が伝えきれないほど怒涛のように描かれており、狂気太郎氏の筆力の高さが伺えます。
また、トウクの異常なまでの執拗さ・疑い深さもよかったです。「正義」を貫くために、騙されないよう、また独りよがりにならないよう、念には念を入れています。入れすぎているきらいもありますが、一歩間違えれば正義を騙る殺人鬼になってしまう長い間生きているので、やはり必要なのでしょう。いえ、全てはトウクの師匠「裏の目」ガリデュエの趣味かもしれませんが。
魔人達による頂上対決が気になる人はぜひ見てください。
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