【オリジナル】ブリッツ・マジック・スケーリング ~異世界で最も複雑な魔法陣の作り方~

ブリッツ・マジック・スケーリング ~異世界で最も複雑な魔法陣の作り方~(支倉凍砂) - カクヨム
ゲーム制作が夢だった高橋頼信は、30歳の誕生日を目前にして、一大決心をした。会社を辞めてゲーム制作に専念してみる! が、その覚悟をもって家を出たところで記憶が途切れていて、次に気が付いた時には洞穴の…

ゲーム制作が夢だった高橋頼信は、30歳の誕生日を目前にして、一大決心をした。会社を辞めてゲーム制作に専念してみる! が、その覚悟をもって家を出たところで記憶が途切れていて、次に気が付いた時には洞穴の中だった。
目の前を獣人が闊歩し、何やら採掘を行っている。なんとそこは、魔法に使うための魔石が産出する鉱山だという。混乱する頼信に、一足先にこの世界に来ていたという健吾がいろいろと教えてくれたことで、ひとまず生活はどうにかなりそうだった。
中世風の異世界。魔法は存在するが自分は使えない。というか特に何の能力もない。
言葉と文字の読み書きを必死に覚え、暗算は得意だったので商会で働けるようになったけれど、ここでずっと暮らすのか? 帰れないのだろうか? 頼信はそう思ったとき、夢を諦められないと思った。帰れないのなら、せめてここでボードゲームの形でも実現できないだろうか。
けれどそのためにはまず、カネが必要だ。
そしてこの世界で手っ取り早く儲けようと思えば、魔石取引しかない。
頼信は慣れないままに仲間を集め、魔石取引に着手しようとするのだが、ここは安全な現代世界ではなく、力が物を言う未発展の文明世界なのだった――。

支倉凍砂 – カクヨム

オリジナル小説です。憑依転生内政成り上がりものです。

あらすじ

  • 中世風の世界に転生した主人公が、生きていくために商会で、暴力を振るわれながら働きます。
  • 中世の価値観に触れ、長く生きることが難しく感じ、前世で心残りだったゲーム開発に着手するため、起業を決意します。
  • 起業するために暴利をむさぼる、自身の商会長を排斥することを決意します。

感想

狼と香辛料」の作者、支倉凍砂はせくらいすな氏の作品です。そのため文章は洗練されていて、読みやすいです。

魔法のある中世風の世界で、時代背景や設定が丁寧になされています。物語の重要な要素である、魔法とは何なのか、ということを紐解いていく過程が面白かったです。

施策に関しても同様です。異世界ゆえに慣れないながらも、みんな幸せになれるよう、試行錯誤しながら商会や領地の方向性を決めていきます。

自分より先に憑依転生した同輩らも、主人公を支えてくれています。領主は最初は非協力的だったものの、主人公の勤勉さや清廉さを理解し、協力を決意します。あと、ケモ耳で可愛いです。「狼と香辛料」の作者らしいです。

魔法の探究、政策、人間関係、全てさっと解決したりはしません。理由付けし、きちんと描写していくことが、説得力につながっています。速い展開が流行りの昨今では珍しいです。

内政ものが好きな人にはおすすめです。

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