現代日本から男女の貞操観念が真逆の異世界に転生し、その世界では珍しい男の騎士として育てられた辺境領主ファウスト。前世の価値感を持つが故に、女王のほぼ全裸な薄着姿や巨乳公爵からのセクハラ的スキンシップに股間を痛める日々を送る彼だが、ひとたび戦場に出れば英雄的な活躍をする超人でもあった。
道造
そして第二王女ヴァリエールの相談役として、彼女とその親衛隊の初陣に同行することになったファウスト。しかし単なる山賊退治と聞いて赴いた村では、予期せぬ惨劇と試練が待ち受けていて……!?
貞操が逆転した世界で“誉れ”を貫く男騎士の英雄戦記、堂々開幕!!
オリジナル小説です。貞操観念逆転ものの世界で領主騎士となる話です。ハーメルンから書籍化されました。
私なりに、書籍になってどう変わったかについて、書かせてもらいます。先に行っておくと、書籍版はとても満足のいく内容でした。
以前、web版を記事にしています。この小説のあらすじや良いところは、そちらをご覧ください。ただ、書籍より先の話にも触れているので、ネタバレ注意です。
はじめに
実は、これだけ多くのネット小説を読みながら、書籍になった作品を購入したことは、とても少ないです。それは「インターネットで公開しているものと違いが分からない」からでした。
ただ「この書籍は買ってよかった」と思いました。良かった点を以下に書きます。あと、読んでいて逆にweb版のほうがよかったなあと思った点もありました。それは悪かった点として以下に書きます。ざっと要点だけまとめました。
良かった点 | 悪かった点 |
・文章が読みやすくなっている ・第0話、導入が際立ってよい ・キャラのイメージが絵と合った ・公開していない外伝が書かれてある | ・有料 ・キャラのイメージが絵と違った |
良かった点
文章が読みやすくなっている
当たり前かもしれませんが、より一層推敲されているため、大変読みやすいです。書籍版のほうがより没入感があります。web版のものと文章を照らし合わせて、よりそう思いました。
もっと具体的に言うと、作者の道造氏の味がより出るようになっています。この小説は、熱さが最もよいところだと思っています。その熱さがより出るよう改訂されています。
特に、マルティナの助命嘆願の件は、書籍のほうがはっきり良くなっていると言い切れます。
第0話、導入が際立ってよい
web版にはなかった第0話が追加されています。そしてこの第0話が滅茶苦茶良いです。この話だけで買う価値があると思います。
第0話は、アナスタシア王女からポリドロ卿への感謝状です。この独特の言い回し、作者の味が全面に出てます。
自身が思っているキャラのイメージが絵と合った
何人かのキャラの絵が、私のイメージと合っていて、よかったです。アナスタシア王女、ヴァリエール王女の雰囲気がいい感じです。ポリドロ卿がヴァリエール王女の相談役を引き受け、手にキスするシーンもよかったです。
あと、マルティナはイメージより可愛くてびっくりしました。とても好きな絵でした。
外伝が書かれてある
外伝は2つあります。私は「ヴァリエールifグッドエンド」がよかったと思いました。みんな幸せそうでこういう未来もありだと思いました。もう1作は……ギャグゆえ人を選びそうです。
悪かった点
有料
抗えないデメリットです。
自身が思っているキャラのイメージが絵と違った
リーゼンロッテ女王とアスターテ公爵のイメージが違いました。特にリーゼンロッテ女王は違和感があります。若々しすぎて威厳がなく見えてしまうのでしょうか……自分でも何に違和感を感じているのかよく分かりませんが、違うと思ってしまいました。
まとめ
読むならweb版より書籍版のほうが没入感があってよいです。また、作者道造氏の、味のある独特な言い回しや文体が補強されています。web版を読んだことがある人も、読んだことがない人も、購入する価値があります。
願わくば書籍版で、この小説で一番熱い話であるゲッシュの件が見たいです。3巻まで発売されることを願います。
コメント