【祝!完結】ループを最大限に活用した恋愛小説傑作「今周の予定は決まってる?」

本小説は少年、真山くんがループしており、それを主人公である少女視点、和乃さんから語られます。ループしていない女の子視点で物語が進んでいくのが斬新でした。

最初は和乃さんがループに関することをよく知っていたことに真山くんが気付き、和乃さんに質問するという形で話が進んでいきます。和乃さんの知識量の深さに圧倒され、ループものの考察が好きな自分はとりこになってしまいました。

同時にミステリアスな雰囲気も感じ取りました。和乃さんは、なぜか真山くんとの距離を詰めたがらず一定の距離を保っていました。またループに関してこんなにも造詣ぞうけいが深いことも不思議です。これらの謎が作品をより知りたいと思う原動力に変わりました。

真相は徐々に明らかとなっていき、終盤、答えが明かされますが、私は全く予想できていませんでしたが、納得の理由でした。私自身もしたことがあるだけに余計にです。

最初はこういったループに着目していたんですが、段々と少年少女の恋愛模様にスポットが当たります。

距離感を意識していた和乃さんが少しずつかれていくところ。できるだけ真山くんの負担になりたくないという気持ち。消えてしまう自分を覚えていてもらおうと傷跡を残そうとするところ。それを全部受け止める真山くんの誠実なところ。

読んでいていつの間にかループ関係なく、彼らを応援する自分がいました。ゆっくりとした進展にやきもきしつつ微笑ましかったです。

こんな素敵な小説に出合うことができ、本当に幸せでした。著者である小沼高希氏には感謝の気持ちしかありません。

それでは最後にひとつ言わせてください。真山くんと和乃ちゃん、幸せにね!!!

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