【※警告】この鑑定スキルの言葉を一切信用しないでください。
北川ニキタ – カクヨム
「鑑定スキル、オレのランクを鑑定してくれ」
『鑑定結果、ご主人さまのランクは最弱のFです。ご主人さまはとても弱い探索者です』
「鑑定スキル、目の前のモンスターを鑑定してくれ」
『鑑定結果、エンシェントドラゴン、討伐ランクE。最弱なご主人さまでも勝てるかと』
「ふーん、見た目は強そうだけど、弱いんだな」
「ふぅ、少し苦労したけど、エンシェントドラゴンを倒せたぞ。オレでも倒せるってことは本当に弱いんだな。いや、オレも少しは強くなったのかな」
『ご主人さま、Eランクのモンスターを倒せたぐらいで、あまり調子に乗らないようでください』
「わかってるよ。オレは最弱の探索者なんだろ。きっと他の探索者は俺とは比べ物にならないほど、強いんだろうなぁ」
「〈セーブ&リセット〉で俺は何度でもやり直せる~冤罪でダンジョン奥地に追放された先に待っていたのは、【難易度ぶっ壊れの死にゲー】でした」「ダンジョン配信でアイドル売りしてたポーション中毒者、我慢できなくてラリってるところを配信したら、なぜかバズってしまう」等、ギャグもシリアスも書ける多芸な作家、北川ニキタ氏によるダンジョンものです。
北川ニキタ氏の作品は一点突き抜けてる要素があり、それを高い筆力でまとめあげることに定評があります。
今回は「鑑定というスキルが狂っており、強いモンスター等を全て弱いと判定してしまっている」ことがこの作品を面白くしています。主人公は最強クラスなんですが、鑑定のせいで自分は弱者だと思っています。
これは昔からよくあるダンジョン勘違いものの特徴ではあるんですが、いつもとほんの少し違うさじ加減により全然印象が違います。北川ニキタ氏の卓越した表現力もあり、全く違和感なく、むしろ新鮮味さえあります。
またこれは私だけかもしれませんが、氏の食事描写がとても好きです。「ダンジョン配信でアイドル売りしてたポーション中毒者、我慢できなくてラリってるところを配信したら、なぜかバズってしまう」もポーションを飲んでる姿だけで好きでしたし、今作も毒物と同等の魔物肉を食べてるシーンがツボにはまりました。
一味違った王道のダンジョン勘違いものが見たい人にはオススメです。
※ハーメルンでも連載されております。
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