大国アストリア帝国の貴族、“エスコバル”伯爵家の長男“イヴァン”は、八歳の誕生日の夜、不思議な夢を見た。
サンボン – 小説家になろう
それは、帝国の皇太子やその取り巻きが婚約者に対し、婚約破棄を行うというもの。
だが、そんな茶番は皇帝陛下の登場により終わりを迎える。
『皇太子をはじめ、婚約破棄に関連した者全てを、アストリア帝国に混乱を招いた罪で“迷宮刑”に処す』
誰も還った者がいない迷宮へと堕とされる皇太子達の光景をただ傍観するだけの夢を毎日見続けるイヴァンだったが、好奇心から自身も夢の中で当事者となる。
堕とされた迷宮の中で、イヴァンは皇太子達の醜い争いと、迷宮の住人である恐ろしい魔物達を目の当たりにする。
逃げ惑うイヴァンだが、魔物に襲われそうになった、その時。
一人の女性がイヴァンを庇い、魔物に食い殺されてしまった。
イヴァンを労わり、微笑みかけながら。
悪夢から目が覚めたイヴァンは、幾千もの悪夢を繰り返し、迷宮の攻略に挑む。
助けてくれた彼女……ジェステ子爵家の令嬢、“ナディア”を救うために。
月日は流れ、帝立学院に入学したイヴァンは、本物のナディアと出逢う。
イヴァンは誓う。
ーー必ず、この現実でナディアを救ってみせると。
これは、幾千と繰り返される悪夢と現実で、愛する子爵令嬢を救うために戦った男の、幸せをつかむ物語。
オリジナル小説です。ループものです。
8歳のころから夢にて、ヒロインが追放され、死刑と同等のダンジョンへの追放刑(迷宮刑)を見せられ続けます。
ずっと夢に見ているので、一度ヒロインをかばってみると、自身も迷宮刑を受けてしまいます。そのダンジョンで死ぬ間際にヒロインに命を一瞬だけ救われたため、以後、そのヒロインを助けるため行動し続けます。
女の子を助けるためにひたすらがんばっている様は見ていてよいです。割と不安要素もないため、安心して見れます。全体的に結構無情なところも好きです。文体が読みやすいと感じました。前に紹介した「弟の策略により命を落とした不器用な冷害王子は、最後まで祈りを捧げてくれた、婚約破棄した不器用な侯爵令嬢のために二度目の人生で奮闘した結果、賢王になりました」も同作者の作品で、読みやすい印象を受けました。以下にリンクを貼っておきます。
ヒロインも健気で好きです。婚約者には虐げられているんですが、主人公が救います。王道展開で、やはり安心できます。
ループものが好きな人はおすすめです。
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