
ロックにギターは必要ない! 咲樂 | ネオページ
⭐︎⭐︎⭐︎最終章スタート⭐︎⭐︎⭐︎大人になりきれない少女たちが「強い自分」を取り戻す、崖っぷちガールズバンド小説――ロックにギターは必要ねえ。これが、あたしらの音楽だ。==============================メジャー...
メジャーガールズバンド『サマーバケーション』の天才ギタリストである向日葵と喧嘩別れをしたベーシストの涼夏は、大学でサキソフォニストの蓮美と出会い〝(あてつけの)ギターレスバンド〟の結成を目論む。
しかし、蓮美は高校時代のトラウマにより、誰かと合奏することに拒否反応を示していた。
持ち前の豪胆さで彼女をバンドに引き入れた涼夏は、スパダリ系イケメンドラマーの千春、声の小さい無自覚美少女ボーカリストの緋音と共に、メジャーを目指してデビューを果たす。
しかし向日葵も、新たなバンドを立ち上げて立ちはだかり――
自分の信じる“音楽”を貫いて、現代ロックシーンに旋風を巻き起こせ!
ロックらしいノリと勢いと、登場人物の掘り下げが丁寧に成されている良作です。
音楽性の違いによってバンドを抜けた主人公、涼夏が前のバンドを超えるため仲間集めをするところから物語ははじまります。
彼女はとにかく破天荒で、母を、友を、仲間を振り回し続けるんです。が「自身の音楽」のために動くその様は、振り回されても許してしまうような熱意も感じさせてくれました。
そんな主人公の「熱さ」に「冷めていた」者たちが感化されます。
トラウマを持つ者や諦めている者、寄り添うことも大事ですがときに強引さも必要。そのきっかけを涼夏が与えてくれ、段々と結束力が高まっていく過程は見ていて清々しかったです。
私はドラム奏者の千春の話が一番好きでした。こういう縁の下の力持ちのような存在が内心気にしていじいじしているが好きなんです。
そして現在最終章の98話まで、作中のバンドメンバ―の中で、唯一「過去」を振り切れていないのは主人公、涼夏です。
今まで全員を引っ張ってきたその存在が、どう過去と決着をつけるのか、見逃せません。更新を楽しみにします。
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