父を魔王に殺され、その仇討ちを誓う青年エリウスは、スキル取得の儀式を終えた夜に
「本来なら魔王討伐には十年の期間が必要だが、取引すれば新たなスキルによって、その年数を五年に縮めることができる」
と、取引を持ちかけてくる『クロ』と名乗る謎の男と出会う。
クロの言葉は疑わしかったが、少しでも早く父の仇を討つとともに、魔王軍による犠牲者を減らすためにエリウスは取引を受け入れた。
そんな彼が手にしたのは「導(しるべ)」
という、十五歳から二十歳の人生を何度も繰り返しながら、魔王討伐に必要な因果が何かを発見することのできるスキルだった。
導の力で何度も五年間を繰り返しながら、聖女や槍の名手といった、強力なスキルの持ち主達と出会い、魔王討伐への確かな手応えを感じるエリウスだったが⋯⋯。エリウスは繰り返す中、冒険者としてはハズレスキルだとされる「会計」スキルのエレインと出会う。
そして「導」により、彼女を自らのパーティーに加入させたのち、追放しなければならない運命だと知る。
追放をきっかけに「数字の支配者」という最強スキルに覚醒し、活躍し始めるエレイン。
一方エリウスは、周囲から「見る目のない無能」と蔑まれ、落ちぶれる。
だが、彼女が最強スキルに目覚めるだけでは魔王の命には届かなかった。
エリウスは更に人生を繰り返しながら、必要な因果を探し続ける。
彼女を追放し、魔王討伐を押し付ける罪悪感と使命感の狭間で苦しむエリウスだったが、それでも何度も「ハズレスキルの持ち主はいらない」
と、彼女を追放する傍ら、自分にできることは他にないかと検証し続けた。
長谷川凸蔵 – 小説家になろう
いつか彼女が、魔王を倒すと信じて⋯⋯。
オリジナル小説です。ループものです。
あらすじ
- 死んでもループする力を使って、主人公が5年間を魔王討伐のため繰り返し続けます。
- 魔王討伐のために必須な事項は赤色、有効な事項は青色、討伐失敗が確定する事項は灰色で本に書かれていきます。
- 自身の意に反することも本のせいで強制されていきます。
感想
本に魔王討伐に必要なことが書かれていくのが新鮮で、ループものとしてとても楽しく読めました。
主人公が本を頼りにしつつ手探りで魔王討伐に向かっていく描写がよく表されていました。
主人公は善良ゆえに、本に強制されてしまうことで苦しむ羽目になっているところもよかったです。
選択肢として見捨てることも視野に入れないといけないのは、常人では確かに苦しいでしょう。
第26話で一区切りついていて、とてもきれいに終わっています。
以降の話が眩んでしまうくらいきれいに終わっているので、後の話が蛇足に見えてしまうことだけ気になります。
ループものが好きな人にはおすすめです。
雑記
読みたい小説も多いしゲームも多いです……時間が一番欲しいです。
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