美少女が謎の生命体と戦うソシャゲみたいな世界で、『謎の生命体』として生きていくことになった主人公が色々と活躍するお話。
庫磨鳥 – Hameln
オリジナル小説です。化け物の細胞を取り込んで戦う少女たちと、人の心がある人外の主人公との話です。少女たちが可哀想で健気で、性癖にぶっ刺さりました。
少女たちは、化け物の細胞を取り込んだおかげで、必ず最後には化け物になってしまいます。さらに、戦えば戦うほど、化け物になってしまうタイムリミットが短くなり、高校３年生を迎えられる者はごくわずかです。また、社会からは化け物同然に見られていて迫害されて、学校ごと隔離されています。……絶望しかありません。
そんな中で、僅かでも状況をよくしようと、それぞれ思い思い奮闘していたようですが、結局死んでしまうのは変わらないため、精神に異常をきたしている少女ばかりです。……いや、全員精神に異常があります。
全キャラ好きですが、一番好きだったのは生徒会長の野花というキャラでした。会長として唯一、外部の人間と交流しているんですが、外部は全く少女たちのことを考慮に入れていません。むしろ、タイムリミットが近いものは処分していく方針で動いています。また、生徒会長という立場により、戦闘行為はほとんど行わないのですが、命令だけはするため、少女たちからも煙たがられています。そのせいで、精神に異常をきたしています。……そんな中でもできるだけ全員救おうという意志が見られるため、健気すぎて泣けてきます。好きです。まだ過去の出来事など、全部わかっていませんが、いずれ分かるのでしょう。楽しみにしましょう。
主人公はかなり人間的で、化け物のネットワークに掲示板というものを無意識で作り出してしまい（いまだ作中でも謎ですが示唆はされてます）、その掲示板にきた３人の人外と話しあうことで少女たちと交流する際の方針などを決定します。主人公の性格はかなりおちゃらけていて、少女たちとの温度差がありますが、重たくなりすぎず、ちょうどいい塩梅だと思いました。識別番号02とのやりとりが好きです。
掲示板ものが好きな人、トラウマを持った少女たちが見たい人にはおすすめです。
(2022/4/7追記)野花が好きすぎて考察記事を書きました。以下にリンクを貼っておきます。
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