魔法使いたちの骨肉相食む血筋争いが見たい - ハーメルン
血筋争いが見たい。本家と分家とか、違う血筋を取り入れる愛憎劇とか、あるいはそれによって生まれる青春とか、悲劇とか。イイよねェ!
血筋争いが見たい。本家と分家とか、違う血筋を取り入れる愛憎劇とか、あるいはそれによって生まれる青春とか、悲劇とか。イイよねェ!
慇懃無礼な超越者が箱庭を作って人間たちを観察する話です。タイトルよりも超越者としての矜持や信念がよく出ていると思いました。
主人公は自身を『愚者』と自称しており、言動も一見人を弄んでいるかのようです。
けれども、それは過去栄華を極めた『賢者』たちへの反発や、全く進歩しない現状への不満、並ぶ者のいない孤独さからであり、愉悦目的と言いながらもどうも違います。
主人公はこういったいろんな気持ちが渦巻いていることを自分でも分かっておらず、そのせいで色々と遠回りしています。
魔法使いの血筋を作るために人間を改造したり、可能性を見出した者に干渉する一方、神のように成り行きを見守り、必要以上に関わろうとしない姿勢を保っていたり……一貫していそうでしていない、複雑な動きを見せています。
言動も道化のような言い回しで私はとても好きです。のらりくらりと、ああ言えばこう言う台詞は癖があって病みつきになります。
独特な味わいを感じる当作品、ぜひ鑑賞してみてはいかがでしょうか。
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