【無職転生】巫女転生 -異世界行っても呪われてる-

巫女転生 -異世界行っても呪われてる- - ハーメルン
文明は開花した明治の代といっても、それは都会の話だ。  山岳に隔離された農村において、もっとも人々の不安を解消し未来へ希望を繋げてくれるのは祈祷であり、呪いで…

 文明は開花した明治の代といっても、それは都会の話だ。
 山岳に隔離された農村において、もっとも人々の不安を解消し未来へ希望を繋げてくれるのは祈祷であり、呪いである。縋る対象は土着の神様であった。


 岡山県苫田郡にかつて存在した、地図にも載らないような小さな集落。
 そこに生まれたチサは土着の神様〝トウビョウ様〟の使いである。
 ある過ちを犯し、トウビョウ様に祟り殺された彼女は、何の由縁か異世界に転生した。

 これはトウビョウ様の思し召しか奇蹟か。
 生まれ変わった異世界で、彼女は翻弄される。

水葬楽 – Hameln

病魔により歩けなくなり目もほとんど見えなくなった少女が、土着神の加護を得て巫女として辛うじて生計を立てていた矢先、浮浪者に犯され処女性を失ったがために土着神に祟り殺され、転生する話です。

1話目でこのような衝撃的な展開だったため、ぐっと引き寄せられてしまいました。実際のストーリーもよかったです。

昔々、日露戦争あたりの時代から転生しているため、主人公は飢餓と貧困に喘いでおり、主人公が達観しています。死に触れることを恐れず、また、未だ呪いのように付きまとう土着神の加護を用いた殺人もいといません。

この小説で一番驚いたのは、転生者が幼児期でも、苦も無くむしろどんどんと物語にのめり込ませてくれるところです。

よくあるネット小説では、幼児期で賢すぎて違和感を感じたり、周囲の反応が不自然だったり、ストーリーにやや矛盾を抱えることがよくあるのですが、本小説は全く感じませんでした。

貧民であったため、熱病で足が動かず家に縛り付けられていたため、日露戦争時代という大昔のため、主人公は知恵はなく倫理観も全く違います。

主人公にあるのは土着神を恐れ敬う信心深さと、飢餓や天災をただ粛々と受け入れなければならないという処世術です。

これが幼児期のころと噛み合っており、知識がなくても違和感がなく、突然祈り出すという奇行も幼児ということでだれも疑問に思わず、そして自身や家族を害するものは容赦なく始末するということもたやすく受け入れることができます。違和感がないのは作者のストーリー構成の巧みさからでしょう。

無職転生の二次創作としても面白く、主人公はルーデウスの妹、グレイラット家の長女として転生します。主人公の影響で原作と大分乖離しています。今はフィットア領転移事件の真っただ中で、どう転ぶか楽しみです。

無職転生を知っている人は読んで損はありません。ぜひ見てください。

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