【書籍】美しい人【狂気太郎】

「美少女すぎる美少女アイドル」「一万年に一人の美少女」と呼ばれるルッキョンこと瑠桃響花《るとうきょうか》は、弱小芸能事務所に所属する期待の大型新人アイドル。持ち歌は一曲しかなく、まだ知る人ぞ知る存在だが、素直で明るい性格と少し天然なところが受けはじめ、人気アイドルの階段を確実に、順調に駆け上がっていた。だが、アイドル合同イベントに参加したその日から、状況は一変する。控え室で響花にいやがらせをした女性アイドルグループが謎の失踪。数日後、フード付きのコートを着た謎の殺人鬼「白い顔の男」に惨殺される様子がインターネットで公開されたのだ。それ以降も、響花に近づいた者は次々と殺害され、ショッキングな映像となって衆目に晒された。
単なる過激なストーカー殺人鬼なのか、それとも犯人には何か目的があるのか。やがて、物語は惨殺から虐殺を経て、究極の破滅のカタルシスへと向かう……。

 鬼才・狂気太郎が『ジャーロ』(イタリアの伝統的なホラー映画の総称)をオマージュして書き下ろした血みどろエンターテインメント! 

狂気太郎

狂気太郎氏によるスプラッタ―ミステリ小説です。私は氏のファンで「デビル・ボード」「実験地区13」「想師」等ほぼ全ての本を読んでいましたが、この本だけは読んでいませんでした。

それは狂気太郎氏の小説ではめずらしく女性が主人公で、かつアイドルの話だったからです。氏の作風と合わない設定だと思い、買ったはいいものの、読んでいませんでした。結果的にそれは大間違いでした。狂気太郎節が全開でした。

妄執ともいえるほどの完璧な文章で繰り広げられる展開に、気持ち悪い残虐性がミックスされて、氏の持ち味が存分に発揮されていました。

スプラッター要素は本当に唯一無二といっていい残虐さでした。またミステリ要素も強く、謎解きも楽しめる構成になっています。

キャラの濃さも狂気太郎らしさがよく出てました。現代ミステリであるため、他の作品ほど好き勝手するキャラはいませんが、結果的に万人向けになっているのではないでしょうか。

ホラー小説が好きな人にはとてもオススメできる一作です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました