それは、世間的にはそれほど大きな話題とはならなかったが、テレビのワイドショーでも取り上げられ、一部の人間にとっては驚きを持って迎えられる程度には注目を集めるニュースとなった。
ニュースの内容は、『新進気鋭の人形作家・神玖羅(かみくら)と、その彼が長らく養育してきた娘にも等しい女性とが結婚した』というものであった。
プライベートが謎に包まれ、娘のような存在がいたことはファンにも知られていなかったことで、ショックを受けた者も少なからずいたようだった。
しかもその女性というのが、幼い頃に受けた育児放棄が原因で脳に障害のある女性だったということがまた、一部の人間達を驚かせた。
これは、そんな神玖羅こと神河内良久(かみこうちよしひさ)と、彼の妻となった沙奈(さな)という少女の物語である。
京衛武百十 – カクヨム
オリジナル小説です。性的虐待・障害教育がテーマの作品です。性的描写と鬱展開がひたすら続くため注意です。
あらすじ
- 両親からネグレクトをうけ、叔父と叔父の友人から性的虐待を受けた少女が脳に障害を負います。
- 人間に興味のない人形師のもとに引き取られ、お互い興味を示さず淡々と過ごします。
- 小学校入学時の養護教諭の献身的な教育を受け、人間性を取り戻します。
感想
生々しく暗い作品なので、読むのには覚悟がいります。
障害教育のやり方だったり、学校の対応の仕方がやけに現実的なのも印象的でした。
まず少女にできるだけ負担をかけさせないようにしたり、教員同士の根回しの話になったり、やけに現実感がありました。
癖も強く、人を選ぶ作品ではありますが、私は引き込まれるように読んでしまいました。
ゆっくりとですが少女が人間性を取り戻していく様は、その暗さをどんどん払拭させてくれて、読後感はとてもよかったです。
ただ、ここまでたどり着くまでに地獄がいっぱいあるので、やはり読むのには覚悟がいります。
生々しい描写に耐えられ暗い作品が好きな人にはおすすめです。
雑記
ウマ娘プリティダービーの熱血二次創作「勝ち逃げツインターボ」が久々に更新されてました。
主人公もツインターボも熱くスポーツものとしてとても楽しめるので、読んだことがない人にはとてもお勧めです。
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