──あなたとは少しだけ違った歴史を辿り発展した日本での話。
たけのこ – 小説家になろう
生まれつき常人とは異なる思考と倫理観を持っていた日本のお嬢様が、信頼する母の死をきっかけに社会からの抑圧に耐え切れなくなったところで『どんなプレイをしても黙認する』というVRゲームと出会う。
日頃のストレスを晴らすために現実と変わらないくらいにリアルで自由度の高い最新のVRMMORPGに手を出し、そこで悪役プレイをしていくうちに始まりの街を混乱の渦に叩き込み、裏社会の組織を片手間に潰し、果てはクーデターまで行ってしまい、最終的にプレイヤー達から『ジェノサイダーさん』『徘徊するラスボス』『一人だけやってるゲーム違う人』『レイドボス』『無慈悲』『文字通り人災』と呼ばれ色んな意味で有名になっていくプレイ日記です。
オリジナル小説です。スプラッターVRMMORPGです。
あらすじ
- お母様大好きお嬢様が、VRMMOで強盗、暗殺、拷問、国盗り、戦争等、現実でしてはいけない「遊び」をします。
- NPCは、AIが優秀で人間と変わりない受け答えができますし、死んでも二度と復活できないため、必死に抗います。
- プレイヤーは「秩序」と「混沌」と「中立」に分かれ、主人公を排除しようとしたり助けようとします。
感想
主人公が「遊び」でNPCを拷問、四肢と目を抉ったり、容赦がありません。人の心がないように最初は思えます。
ただ本人は本人なりに苦悩しています。自身の狂った価値観や、母の助言を頼りに、徐々に行動を共にするプレイヤーも増えていきます。
話数が進むごとに交流も増えていき、本編294話、295話の流れは特に感動しました。ここで完結してもいいくらい綺麗な流れでした。
主人公もいいんですが、他のキャラもあまり見たことがないアクの強い魅力的なキャラが多いです。
私が一番好きなのはハンネスという聖騎士のキャラでしょうか。
秩序陣営に属しており、度々主人公と対決し、非道なことを行っている主人公を糾弾し続けます。最初は噛ませ犬かと思ってたんですが、話数を重ねるごとに魅力的になりました。反目している分、主人公のことをよく理解していきます。
単なるスプラッターものではない、普遍的な良さを感じました。非常におすすめできる小説になっています。
VRMMOが好きな人、スプラッター小説が好きな人にはおすすめです。
追記
書籍版も購入したため、改めてそちらもレビューしました。よければそちらも見てください。
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